2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されました。
プログラミング教育といっても、いきなり小学生の内からプログラミング言語を覚えたり、コードを書いたりすることが求められているわけではありません。文部科学省によると、ねらいは「『プログラミング的思考』を育み、より良い社会を築くこと」。
今回はこのプログラミング思考の基礎となる「論理的思考力(ロジカルシンキング)」について考えていきたいと思います。
- 論理的思考力とは
- 論理的思考力とプログラミング的思考力の違い
- 論理的思考力を身につけることのメリット
- 論理的思考力はどうやって身につける?
論理的思考力とは~自分の感情の原因を表現する力~
論理的思考力とは、簡単にいうと「自分の考えていることを整理し、筋道の通った説明ができる力」。例えば、子どもがお茶をこぼしてイラっとしたとき、「もう!何してるのよ!」と子供を責めるのは「論理的」ではなく「直観的」です。「お茶がこぼれると、拭き掃除や洗濯が大変なんだよね」というのが「論理的」。前者では、子どもはどうしてよいのかわからず、ただ萎縮するだけですが、後者なら拭き掃除を手伝ってくれるかもしれません。
このように、自分の感情をそのまま表すのではなく、感情の原因をキチンを言語化することが「論理的思考力」の基礎となります。論理的思考力を身につけると、自分の目的が達成しやすくなったり、相手の目的に気づきやすくなったりするというメリットがあります。
論理的思考力とプログラミング的思考力の違い
論理的思考力=プログラミング的思考力といわれることも多く、両者はよく似ています。簡単に言うと
論理的思考力>プログラミング的思考力
論理的思考力は自分の感情や目的を言語化する力ですが、プログラミング的思考力は目的達成のための最短の方法を見つけることです。
プログラミングの際は、目的に向けたコードを書くことが求められます。同じ結果でも回りくどいコードではなく、簡潔なコードを書くための力がプログラミング的思考力です。プログラミング的思考は、コードを知らなくても、日常生活で一つ一つの行動を最適化することで育むことができます。その前にまずは目的のための道筋を提案する力、つまり論理的思考力が必要になるのはいうまでもありません。自分の目的のための手段をまずは言語化し(論理的思考)、その手段の中から最適なものを選び出す(プログラミング的思考)ということです。
論理的・プログラミング的思考力を身に着けることのメリット
論理的思考力もプログラミング的思考力も、プログラミングのためだけに必要なわけではありません。
自分の気持ちの原因に気づける力、そしてその最適な解決方法を見つけ出せる力は、生きていくうえで必須の能力ともいえるでしょう。論理的・プログラミング的思考力が身につくと、
- 自分の考えや気持ちを相手に正確に伝えられるようになる
- 相手の気持ちや思考回路が理解しやすくなる
- 自分の抱えている問題の解決方法が見つけやすくなる
- 効率の良い勉強法や作業方法を考え、よい結果を残せる
- コミュニケーション力が高まる
つまり、格段に生きやすくなるということです。
論理的・プログラミング的思考力の身に着け方
では、これらの力を身に着けるにはどうすればよいのでしょうか。まず、大切なものは「語彙力」です。
お腹がすいている赤ちゃんは、自分で「あ、私はお腹がすいているんだな」ということはわかりませんが、不快だから、泣く。もう少ししたら、「お腹がすいたー」と言葉にして伝えられるようになり、さらに成長すると、「お腹がすいたから、おにぎり食べたい」などと、どうやってそれを解決すればよいかも考えられるようになります。これも立派な「論理的思考」です。
子供がこれらの力を育むためには、子ども自身が自分で考える機会を奪わないことが何より大切。子どもが考える前に何でも与えてしまうと、そもそも周りに挑戦すべき課題がなく、考える必要がなくなってしまいます。また、同時に子どもが何かに取り組んでいるとき、そばで中継してあげるのも効果的。例えばフォークでスープを飲もうとしている子どもに対して、すぐにスプーンを渡してあげることもできますが、「フォークで食べるんだね」と声をかけてあげれば、子どもは「フォーク以外だったらどうだろう」と考えるきっかけになります。
すぐに答えを与えず、子ども自身に考える機会を与えること。これが論理的思考力を高めるための第一歩です。
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